ハッピー☆ウエディング


「だって、いきなりだったんだよ!?・・・美人だったけど」


興奮気味に話すのはあたし。


思い出しただけでも腹が立ってくる!!!



『・・・それで?』



そんなあたしとはうって変わって冷静沈着な声。



『それで、その“美人”の名前はなんていうの』

「・・・え?」



あたしと彼の間に流れる沈黙。




名前かーーーー!!!




全然聞いてないし、あの少女は『慶介と別れて』とだけ言って走り去ってしまったんだっけ。
綺麗な長い黒髪をなびかせて・・・・




『長い黒髪だったか?』

「そうそう・・・・・って、慶介知ってるの!?」



予想外の慶介の発言にあたしは思わず手にしていた携帯を落としそこねた。




『・・・・俺の妹かも』

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