ハッピー☆ウエディング
うそみたい。
こんな夜中に、あたしの為に来てくれるなんて。
嬉しくて嬉しくて、だんだんと慶介の姿がぼやけてくる。
「やっぱり泣いてる」
そう言って、あたしの頭をポンポンと優しく撫でた。
「・・・・・泣いてないょ」
「はいはい」
慶介は、そう言ってあたしの顔を自分の胸にギュッと押し当てた。
「・・・・・・」
その瞬間にあたしを満たす、ほんの少しの煙草の匂いと、甘いムスクの香り。
慶介の匂い。
頭の芯を痺れさせるような感覚に目眩をおこしそうになる。
崩れ落ちないように、慶介の広い背中に腕を回した。
大好き―――・・・・・・・