ハッピー☆ウエディング
そう言いかけて、あたしは携帯に目をやる。
プリクラ見られたんだ・・・。
携帯の後ろには美羽と写したプリクラが貼ってあった。
なんだか、あのエイタってヤツのペースにどっぷりはまってた気がする。
あたしはブンブンと頭を振って、その場を離れた。
本屋に着くと、意外にも美羽は笑顔で現れた。
「仲直り・・・したの?」
「うん。いつもごめんね、葵」
両手を顔の前でパチンと合わせてあたしの顔を覗き込む美羽を見て、はあ、と溜息をついた。
「?」
なにかあったの?と首を傾げる美羽にあたしは「なんでもない。」と笑った。
―――・・・そう。
別になんでもない。
美羽と一緒に駅前を歩く。
・・・と、どこからか、ギターの音色が聞こえた。