ハッピー☆ウエディング
玄関のドアを見つめたまま微動だにしない慶介を見上げてあたしは、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「か・・・・かい忘れちゃったとか?物騒だなぁ・・・・・ははは」
わざと明るく言ってみる。
だってドロボウとかありえないもん!
慶介が忘れていったなら納得いくし!
慶介は相変わらずなにか考えているようで、あたしの言葉にポツリと答えた。
「いや、鍵はかけていったよ」
「・・・・・・・・・」
え?
じゃあ・・・・・やっぱり・・・・・
“誰か”が鍵を開けて中に入ったってコト!?
“誰か”ってダレ!?
ガタガタと足が震えだしてきて、あたしはグッと両手を握り締めた。
「・・・・・・・・・」
慶介は、ゆっくりとドアノブを回した。
え?ちょ・・・・・ちょっと!!
まずいでしょ?
もし本当に誰かが開けたとしたら、警察を呼んだ方がいいんじゃないの?
パニック中のあたしをよそに、慶介はさらにドアを開けて中へと静かに入っていく。
(あっあぶないってばぁ~)
あたしは慌ててその後に続いた。