ハッピー☆ウエディング


だんだんとぼやけて見えなくなる天井から視線をそらし、あたしはそっと瞼を閉じた。




慶介・・・・・?



あたしは一体、どうしたらいいの?








瞼の奥に浮かんでくる慶介の顔。



整った顔立ち。

一見、近寄りがたい印象。



でも、笑うとその笑顔は子供のように無邪気で・・・・


心の中がほんわりあったかくなるの。




あたりまえのように開けてくれる
助手席のドア。

力強くあたしを抱き締める
大きくて骨っぽい華奢な手。



柔らかな唇の感触。





・・・・・・・・・慶介の体温。








瞼の奥がツンとしてどんどん熱くなる。

とうとう、溢れ出した涙をあたしは止める事が出来なった。




あたしの中に残る慶介の面影。






信じたい。





本物だって。



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