ハッピー☆ウエディング
「それ、なに?」
あたしが瑛太の手を指差すと「これ?」と紙をひらつかせた。
「ライブの日程」
そう言って瑛太は自分の手元に視線を落とした。
あたしは「ふーん」と瑛太の視線を追う。
「葵、興味あんの?俺のライブに」
にやりと笑ってあたしを見る瑛太。
その顔は、まるで悪い事を思いついた少年のようだ。
あたしは、背筋がゾクっと痺れた。
今度はなにを言い出すのかと、身構えてしまう。
「・・・・別に」
ジロリと瑛太を睨み上げ、腕を組んだ。
「てゆーか、どーゆうつもり?なんでアンタにここに連れてこられたのか意味わかんないんだけど!早く帰して!!」
そう言って、口を尖らせたあたしを見た瑛太はなぜか、嬉しそうに笑った。
「俺にもわかんね。・・・葵と一緒にいたかったのかな?」
「・・・・・は?」
瑛太の爆弾発言にあたしは持っていた袋を落としてしまった。
なな・・・なに、言ってんのコイツ!!!
そーゆう事、簡単に言うもんじゃないよねっ?
間違ってるよね!?
平然とそれが当たり前のようにニコニコと笑っている瑛太に、あたしは言い返す事が出来なかった。