ハッピー☆ウエディング
嘘・・・・・・・・・
慶介・・・・・・
そんな事、一言も・・・・・・
心臓が物凄い速さで加速していく。
握り締めた手が、指先が小刻に震え出す。
そんな大事な事をなに一つ聞いてない。
何も言えず、黙っているあたしを絵梨ちゃんは見つめた。
「お願い・・・・・」
「・・・・ぇ?」
「あたしから、慶介を奪わないで・・・・・」
「・・・・・・・」
気が付いたら、あたしの頬には涙が伝っていた。
絵梨ちゃんの顔はハッキリわかる。
あたしの瞳を真っ直ぐに見据える彼女。
あたし、どうしたら・・・・・
一人残された部屋―――
電気もつけずに、ただベッドに座る。
ちゃんと、理由を聞かなきゃ・・・・・
慶介と話をしなくちゃ・・・・・
あたしは胸元にそっと手を添えた。
そこには、しっかりと慶介の愛の形が確認出来た。
あたしはその手にグッと力を込める。
静まり返った部屋は、漆黒の夜の闇が広がってた――――