ハッピー☆ウエディング
「葵、聞いてほしい」
「え?」
静かに口を開いた慶介。
あたしは、焦点の合っていなかった視線を慶介に合わせる。
真剣な瞳。
まるで、最初に会ったあの日、うちでプロポーズされた時のよう。
ドキンドキン
なに?
あたしの胸は自然と高鳴ってしまう。
その瞳に吸い込まれそうになりながら必死で冷静を装った。
なんといっても、隣には絵梨ちゃんがいるのだから。
少しだけ背筋を伸ばして、慶介に向き合った。
なにを言うの?
まさか、別れの言葉?
だったら、哀しすぎる。
って、あたしの頭の中を勝手な解釈がグルグルとまわりだす。