ハッピー☆ウエディング

あたしを真っ直ぐに見つめる慶介。



あぁ・・・

あたしこの瞳が好きなんだ。




初めに結婚をOKしちゃったのもこの瞳に魅入られてしまったからなんだ。


薄いレンズ越しにそのキレイな瞳に見つめられて、あたしの心はいつも見透かされた気分になる。





ほら。

今だってあたしもう泣きそう。





「葵に大事な事を話してなかったんだ」




静かに話す慶介。

あたしはただ黙ってそれを聞いた。



「俺達の両親は、4年前に事故で死んだんだ・・・
黙っててごめんな?」



そう言うと、慶介は苦しそうに笑った。


あたしは首を振って、キュッと目を閉じた。

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