ハッピー☆ウエディング
「両親が亡くなって身寄りがなくなった俺達は、親父の友人だった今の会社の社長にお世話になってる。
もう俺は成人していたから、絵梨だけ社長の家に住んでるんだ」
そう言って慶介は絵梨ちゃんを見た。
絵梨ちゃんはさっきから黙って慶介の話を聞いている。
唇をキュッと結んで、目の前のコーヒーを見つめていた。
「・・・・社長には一人息子がいるんだが・・・・
その息子が最近になって姿を消した」
そこまで聞いてあたしは首を傾げた。
社長の息子?
その人がなんの関係があるのかな?
「社長は早く後継ぎが欲しかった。
もちろん息子に継がせるつもりだったらしいんだが、家出した息子に見切りをつけて、子会社で働いていた植草総務の娘と俺を結婚させて、会社を任せて行くって話だ。
俺は・・・・・
社長になるつもりはないが、お世話になりっぱなしで断る事が出来なかった」
「そうなんだ・・・・・って、ええぇ!?」
社長おぉぉ!!?
慶介が社長っっって!
って事はあたし、社長婦人っ!!!?
ととと・・・・
「とんでもないっっ」
思わず大きな声が出ちゃう!
だって冗談でしょ!?
いきなり社長婦人だなんて・・・・・
まじ、ありえないっつーの!