ハッピー☆ウエディング
「お兄ちゃんを傷つけたら、すぐ奪いに来るから」
「・・・えっえっ!?」
「勘違いしないでよね、あんたがトロトロしてたらすぐあたしが取っちゃうんだから!」
「・・・・絵梨ちゃん」
少し頬を赤らめて、あたしから視線を逸らす絵梨ちゃん。
「絵梨でいいよ。気持ち悪い!」
腕組をして、ジロリとあたしを睨む。
なんだか、胸の奥がくすぐったかった。
あたしを少しだけ認めてくれたみたい。
口が悪いのは、照れ隠しなんだ。
反対の事を言うのは、なんだか慶介と似てるな
なんだかそう感じてあたしは笑った。
『一人で帰れる』
と言って、絵梨ちゃんは先に帰ってしまった。
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
なんだかすごく久しぶりに感じる慶介の部屋。
そして、二人きり。
ドキンドキンドキン
急に静かになって慶介に心臓の音が聞かれちゃうんじゃないかな?
ドギマギして落ちつかないあたし。
なに、これ。
なんかしゃべってよ!
でないと、この空気耐えらんないって。
手にじっとりと汗をかく。
あたしって、こんなに汗っかきだっけ?
背中に痛い程の視線―――
「・・・」
チラリと振り返ってみる。
ドキーン!!!
案の定、すぐに視線はぶつかってあたしは慌てて顔を戻す。
慶介はといえば、ソファに腰を下ろしてあたしを面白そうに眺めている。
・・・・なんで、いつもこうなのかなあ~?