ハッピー☆ウエディング
次の日
ポンと肩を叩かれ、振り返る。
「よお、葵。遅刻だぞ」
そう言って、今日も眩しい笑顔を見せるのは、あのキス男“瑛太”。
いつにも増して、髪はツンツンに立ってる。
ファーの付いた暖かそうな革ジャンに身を包んだ瑛太は、まるで雑誌からそのまま抜け出したような格好。
その肩にはしっかりとギターをかけていた。
真冬なのに、彼の周りだけ太陽のように輝いている。
「・・・・・・」
その笑顔、ほんとにチャライ・・・・。
心の中でそっと呟いて、はあと溜息をついた。
「あんだよ~、そのテンションの低さっ!もっと上げてこーぜ!ホラホラっ」
「イタッ!痛いって・・・」
白い息を吐きながら、あたしの背中をバシバシと遠慮なく叩く瑛太。
今日は瑛太のバンドのライブ。
それにまったく無関係のあたし。
なんで自分が招待されたのかさっぱり意味がわかんない。
だったら来なきゃいいって?
そう。
あたしもそうしたかった!