ハッピー☆ウエディング
ブルーエンジェル
あたしは白い息を吐きながら、その星を見つめた。
それから、グルッと辺りを見渡してみる。
でもそこに慶介の姿は見当たらなかった。
あ~あ・・・
あたしは、がっくりと肩を落とした。
「おい」
「ひゃっ!?」
急に肩をポンと叩かれて、あたしは軽く飛び跳ねてしまう。
そして、ドキドキと跳ねる心臓をキュッと押さえながらゆっくりと振り返った。
そこには、さっきまでステージ上でたくさんの観客を魅了していた瑛太が目をパチクリさせて不思議そうな顔をして立っていた。
まだその顔にはさっきのライブの興奮が残っているようで、頬はほんの少し火照ってる。
「なんだ・・・瑛太か」
あたしはホッと胸をなでおろした。
一瞬慶介かと思ったんだ。
もし、慶介ならどうしてここにいるのか説明する心の準備が出来てなかったから。
「なんだとはなんだよぉ。失礼なヤツ」
瑛太は不満そうに唇を尖らせて、なにやらブツブツ言っている。
あたしはそれよりも、慶介の事で頭がいっぱいだった。
瑛太が目の前にいるのに、その後ろを気にしてしまう。
そんなあたしをよそに、瑛太はあたしの腕を掴んだ。
「行こうぜ」
「へ!?」
グイグイと引っ張られながら、とっさに瑛太の手を振り払った。