ハッピー☆ウエディング
甘い誘惑
「じゃ、行こうか」
慶介は、そう言って立ち上がると先に会計を済ませにいった。
「ごちそうさまでした」
車に乗り込みながら慶介に言う。
いつも、デートのお金は慶介持ちだった。
あたしが、毎回そう言うたびに慶介は、
「どういたしまして」
と、口の端を少しだけ上げて面白そうにそう言うんだ。
そのたび、あたしの胸はザワザワと騒いだ。
慶介はあたしの事、どう思ってるのかな。
やっぱり、あたしの事を子ども扱いしてるからなのかな・・・
10も年が離れてるんだもん。
あたしからしたら、6歳の子って訳でしょ?
そりゃそうか・・・・・
はあ・・・
車を運転する慶介の横顔を、何度も気づかれないように見た。