ハッピー☆ウエディング
「・・・って、あたし未成年なんですけど?」
そう言って目の前の男を睨んだ。
彼は、慣れた様子で片手をひらりと挙げて店員さんを呼んだ。
・・・話、聞いてないし。
「お決まりですか?」
ニコニコと爽やかな笑顔でオーダーをとりに来たのはこの店の一番人気(ここはホストクラブかって)の彼。
彼の胸に付けられた金のプレートには“Aida”と書いてある。
アイダ君ってゆうんだ・・・。
他校だけど同じ年って噂。
大人っぽい雰囲気の彼をあたしはぼんやり眺めた。
「ジントニックと・・・あとはコレひとつ」
と瑛太は華奢な長い指でメニューを指した。
こんなのバレたら、あんた捕まっちゃうんじゃないの?
あたしの視線に気が付いた瑛太は悪びれた素振りもなく、にっこり笑ってたばこを銜えた。