ハッピー☆ウエディング
そういえば、さっき瑛太はお父さんに反対されてるって言ってたけど、聞いたらまずいのかな?
あたしは、瑛太をチラリと見上げた。
「あの・・・」
「んー?」
瑛太は再び、たばこを口に銜えた。カチカチと音をさせライターの火が揺らいでいる。
薄暗い店の中、瑛太の顔は小さなオレンジの光に照らされた。
「お父さんが反対してるって・・・」
あたしの言葉に、瑛太は苦々しく煙を吐き出した。
「ああ・・・俺がバンド本格的にやりたいって言ったら、家勘当された。もう、家に顔出さなくなって一年近くなるかな。家のヤツ俺を探してるらしいけど・・・自信ついたらもう一度親父を説得に行くつもりなんだよ」
グラスの中の氷がカランと音を立てた。
そうだったんだ・・・
チャラチャラしてても、しっかり自分を持って現実を見てるんだ。
意外・・・・。
そうんな風に思いながら、あたしは瑛太を見つめた。