ハッピー☆ウエディング
やっと見つけた。
あたしの視線に気づいた瑛太は少し照れくさそうに、たばこの火を消した。
「なあ、葵・・・」
「ん?」
真っ直ぐにあたしの瞳を見つめた。
そして、こう言った。
「俺と付き合う?」
「・・・・・・」
瑛太の言葉を聞いて、頭が理解するのにきっと数秒かかったに違いない。
つき?
「・・・・えええ!?」
数秒遅れでリアクションするあたしに瑛太は「ぶはっ」と吹き出した。
あまりにも大きな声だったようで周りのお客さんまでこちらをチラチラ見ている。
あたしは、口を開けたままでフリーズ状態。
瑛太なりに誠意を持って言ったようで、後で恥ずかしそうに頬を赤らめていた。
でも、その顔もほんの一瞬で今はただお腹を抱えて笑っている。うん、爆笑。
やっぱり冗談なんだよね?
そうだよ、冗談に決まってる。
うんうん。
なんて勝手に自分で納得して落ち着いたあたしに、瑛太は追い討ちをかけた。
「葵見てると飽きねーな。危なっかしいてゆうか、ほっとけないってゆうか。
そうだな・・・好きなんだよな、俺」
「はあ?」
曖昧な瑛太の言葉に、再びフリーズ。
もう、あたしの顔は湯気が出る寸前だろう。