ハッピー☆ウエディング
「・・・慶介?」
テーブルのすぐ傍で立っていたのは慶介だった。
なんで慶介がここに・・・
あたしの頭にはきっと?マークが並んでいるだろう。
固まったまま彼を見上げるあたし。
でも、驚いてるのはあたしだけじゃなかった。
彼の傍へ行こうとしたあたしより先に、瑛太がヨロヨロと立ち上がった。
え?
まるでキツネにつままれたような顔をしている瑛太。
そして、何度か口をモゴモゴさせた彼はポツリと呟いた。
「・・・・・・・・・慶介さん?」
今、確かに瑛太は慶介の名前を呼んだ。
呼んだよね?
あたしはこの状況が理解できない。
二人は知り合いなの?
瑛太は慶介を見つめたまま固まってる。
そして、慶介が「やっと見つけた」相手は、あたしじゃないみたい。
「な、なんで慶介さんがここに?」
瑛太はユルユルと慶介に歩み寄った。
慶介は、はあと大きく溜息をつきながら腕組みをして言った。
「今日、ライブやるって聞いたから急いで来たんだ」
そう言って、口角をクイッと上げて悪戯っぽく笑った。
瑛太は、それになんと答えていいかわからないような、複雑な顔をしている。
そして、慶介はチラリと視線をあたしに移した。
胸が高鳴る。
・・・もしかして、さっきの聞かれてたのかな?
慶介の瞳が、全てを見透かしているようであたしは思わず俯いた。