ハッピー☆ウエディング
自分の手が、鉛をつけたように重く感じる。
「・・・それじゃ・・・・」
あたしはそう言ってもう一度慶介を見た。
「ああ。また連絡する」
慶介は、ハンドルに腕を乗せたまま視線だけをこちらに向けた。
あたしを見るその瞳は、とてもキレイで。
なぜか、目が合っただけなのに鼻の奥がツンと痛くなった。
「・・・・・うん」
泣きそうな顔を見られてくなくて急いで目を逸らした。
・・・この気持ち。
なに?
慶介があたしを見つめるその瞳はとても優しくて・・・・
それってとても嬉しいのに。
幸せなコトなのに。
なんであたし・・・泣きそうになってるの?
心の中が、なにかに押し潰されそうになって、あたしはようやく車のドアに手をかけた。