ハッピー☆ウエディング
幼い日のキヲク
あれからあたしはベッドの中に潜り込み、ずっと泣き続けた。
もう、なにがなんだか自分でもわからなくて、部屋のドアを叩く音も。
携帯が鳴る音も、全部。
あたしの耳には入らなかった。
どれだけそうしていたのかな・・・
あたしは部屋の中が真っ暗になっているのにようやく気が付いた。
泣き疲れて重たい体をのそのそと起こしてベッドから引きずりでた。
さむ・・・
部屋の中だというのに、吐く息は白い。
あたしは、毛糸のカーディガンを羽織ると、窓の外を見た。
「・・・・雪だ・・・」
朝から雨を落としそうになっていた雲は、寒さで変わりに雪を降らせていた。
頭がボーっとしてなかなか考えがまとまらない。
そして、次第に昼間の出来事が頭の中のスクリーンに映し出された。
・・・・・・・・・・。
もう、枯れていたと思っていた目からまた涙が零れた。
暗闇の中に、携帯の着信ランプが光っていた。
あたしは、ゆっくりそのディスプレイを開いた。
・着信7件
・メール5件
慶介かもしれない・・・・
少しだけ、期待と不安で胸が震えた。
だけど・・・
全部、瑛太からだった。