ハッピー☆ウエディング



「葵、大丈夫?」


心配そうにあたしの顔を覗き込むのは、美羽。


「・・・へ?なにが?」


あたしは半分上の空。


十二月二十四日、クリスマス・イヴの今日は美羽に合コンに誘われていた。

そんな気分じゃなかったあたしを美羽が無理矢理引っ張って来て、今、駅前のファミレスにいる。

クリスマスを一緒に過ごす人が居ない人が集まって騒ごうって言うのがこの合コン意図らしい。

でも、美羽彼氏いるよね?

あたしは、唇にグロスを塗りたくっている美羽を見て小さく溜息をついた。

女の子はあたしを含め、四人。
美羽の同じ中学だった友達で二人ともとってもかわいい。


暫くすると、ぞろぞろと四人の男の子の集団が現れた。
やたらと大人っぽい集団。



「あ。来た来た。お~い」



笑顔で彼らに手を上げた美羽にすかさず耳打ちをした。



「ねえ。あの人達、いくつなの?なんか、うちらと年違いすぎない?」

「へ?あー・・・いくつだっけ?
バラバラみたいだけど・・・えーと、ほら!
あの紫のマフラーしてる人はハタチって言ってた」



美羽の視線の先を追うと、確かに紫のマフラーをグルグル巻きにした人がこちらに向かって歩いてきた。黒のダウンジャケットを着て、履き崩した革のブーツに、グレーの緩すぎないパンツをインしている。
黒髪にゆるくパーマをかけて、耳には幾つものピアスが煌いていた。


「お待たせ。お。みんなかわいいね☆じゃ、さっそく行こうか」


そんな、とってつけたような嘘くさいセリフを吐いた彼はニカっと白い歯を光らせた。
紫の彼は歯を光らせながら続ける。


「こいつはトモ。それからこっちはノブ。それからこいつがケンジ。
俺は、ジュンヤでーす」


紹介された、男の人達はニコニコと愛想の良い笑顔を振りまいた。






誰が誰だか知んないけど・・・




め・・・・・・めんどくさ・・・・・・・。







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