ハッピー☆ウエディング
「・・・・葵・・・・」
凛とした声が耳に届く。
教会の中で、慶介の心地よい低音の声はやたらと鮮明に聞こえて、あたしはハッとして顔を上げた。
真っ直ぐに、あたしを見つめるその瞳に吸い込まれそうな感覚になって、あたしは息を呑んだ。
迷いのないその瞳。
あたしは、この瞳が好きなんだ。
もう、好きなとこを言ったらキリがないよ。
慶介の瞳に恥じないように、あたしも真っ直ぐに見つめ返した。
「葵」
そして、確かめるようにもう一度あたしの名前を呼ぶと、慶介は小さく息を吸い込んだ。