ハッピー☆ウエディング
ハッピーウエディング
朝からあたしは大忙し。
鞄と携帯を引っ掴んで勢いよく部屋のドアを開けるとドタバタと階段を駆け下りた。
「葵!!」
階段を降り立ったと同時に、急に名前を呼ばれてあたしの勢いは止まった。
ゆっくりと声のした方へ視線を送ると、そこには仁王立ちしたお母さんの姿・・・。
デ・・・デジャブ?
例えるなら阿修羅・・・そんな形相の母の顔をあたしは遠慮がちに覗き込んだ。
「・・・なに?」
おどおどするあたしを、お母さんは頭のてっぺんから足のつま先まで舐めるように見ると、急にその表情を変えた。
「ちょっと来なさい」
そう言って、お母さんはあたしをリビングに寄るように言った。
んー・・・時間ないんだけど。
お母さん達も、のん気にしてていいのかな?
色々言いたい事はあったけど、あたしは渋々その背中について行った。