ハッピー☆ウエディング
パチパチパチ・・・
あたしは盛大な拍手で現実に引き戻された。
わッ!
またやっちゃったッ・・・
あたしの悪い癖。
もう一度前に視線を戻す。
絵梨ちゃんと瑛太が、大きなクリスマスツリーの前でちょうど誓いのキスを交わしていた。
そっと顔を離すと、瑛太は列席者を振り返り、大きくVサインをして絵梨ちゃんの肩を自分の方へ引き寄せた。
「やったぜーー!」
太陽のような瑛太の笑顔に、教会内にどっと笑いが起きる。
「ヒュー!」
「あほー」
「あははは」
「お前にはもったいないぞー」
大きな声で瑛太に声をかけている人にあたしはハッとなった。
・・・・ジュンヤ君
ジュンヤ君の隣には綺麗な女の人がいて、彼女も一緒になって瑛太をあおっている。
色んなところから野次が飛ばされるなかで恥ずかしそうにむくれていた絵梨ちゃんも、いつしか笑顔になっていた。
「あはは。瑛太らしい。
絵梨ちゃん、まんざらでもないみたいだね」
「・・・あのバカ」
そう言って慶介を見上げると、呆れ顔でふっと笑った。
その顔・・・前にもそんな顔してたね。
愛おしそうに、目を細めて・・・・。