ハッピー☆ウエディング
あたしは、力任せに慶介の体を押しやった。
これが、噂の大人のキス?
でも、この前のキスとは全然違う。
全然・・・
頭の芯から痺れてしまって、なにも考えられなくなっちゃいそうだった。
「はあ、はあ・・・・」
あたしの荒い息遣いとは裏腹に、慶介は押された勢いでソファに体を投げ出したまま、静かにあたしを見つめている。
「・・・・・・・」
はれ?
怒ってます?
「あ、あの・・・・ごめんなさい」
慶介の、怒ってるのか呆れてるのかわからない表情を見て、あたしは思わず謝ってしまう。
顔を真っ赤にして俯くあたしの頬に、慶介はそっと触れた。
「知りたいの、知りたくないの・・・どっち?」
「・・・・え・・・えぇ?」
ムスッとしてあたしを眺める慶介はそう言うと、ちょっとだけ首を傾げてあたしの顔を覗き込んだ。
「その気にさせといて、そんな拒み方はないな」
そう言ってクスッと笑う慶介。
「・・・・うッ・・・」
これって、からかわれてる?
あたしの顔は真っ赤になりすぎて、もう目がウルウルしちゃってる。
・・・・・うん。そうなんだけどね?
知りたいと思ったけど。
でも、そっちですか!?