ハッピー☆ウエディング
あたしは、目の前のカフェでお茶をしている男の人をを指した。
今日は平日だし、仕事のはず。
だから、彼ははいつものスーツ姿で、髪の毛は上にしっかり上げられていた。
間違いない。慶介だ。
「どれどれ?」
美羽はあたしの指さした先を追う。
でも、なかなか見つけられないようでイライラしているみたい。
「・・・んー・・・どれよぉ?」
「ほら、あのお店の1番手前の席で・・・今、時計見てる人」
誰かと待ち合わせでもしているようで、しきりに時計を見ていた。
「・・・えぇ!?あのサラリーマンみたいな人ぉ!?」
美羽がようやく慶介を発見したようで、慶介の方を指差しながらあたしと慶介を交互に見た。
「うん」
「だっ・・・だって、どう見ても葵よりずっと年上じゃない!」
美羽の声がだんだん大きくなる。
「うん。一ノ瀬慶介、26歳。大手企業のエリート商社マン・・・だって」
「だってって・・・葵、あの人といつから付き合ってんの?」
美羽が声を裏返してあたしを見つめる。
まあ・・・・驚くのも無理ないよね。
結婚だもん。