ハッピー☆ウエディング
「誰なの?葵」
美羽があたしの袖を引っ張る。
「・・・雪絵さん・・・誰か慶介教えてくんなかった」
あたしはただ、笑顔で話す慶介と雪絵さんから視線を逸らせないでいた。
「教えてくれないって・・・あんた達婚約までしてんでしょ?」
美羽が怪訝そうな顔で言った。
あんな、慶介の顔見た事ない。
気を許してるってゆーか・・・飾ってないってゆーか・・・
あたしといる時はいつも、余裕たっぷりで・・・冷静で、ちょっと強引で・・・
ほんとに笑ってる顔・・・知らない。
なにも、慶介の事、知らない。
「うん。でもさ、知らないんだよね」
「葵・・・」
あたしは、美羽にそんな気持ちを悟られたくなくてわざと明るい声で言った。
なんだろ・・・
この気持ち・・・・
心の中がグチャグチャになっちゃいそうだよ・・・・