ハッピー☆ウエディング



しばらくあたし達はその場から動き出す事も出来ずにいた。




「あ・・・・」




慶介と雪絵さんは、席を立って、並んでお店から出てきた。



どうしよう・・・



ここにいたら、きっと慶介に気づかれちゃう!
急に慶介に会うのが怖くなったあたしはその場から逃げようとした。



「葵!!」


でも、美羽はあたしを引き止めた。
腕を引っ張られてあたしは振り返った。
美羽が真剣な顔であたしを見つめている。




「どんな関係なのかはっきり聞こうよ」



「でも・・・」




「あんた、遊ばれてるだけかもしんないんだよ?あの人も本気なら・・・葵の事、真剣に考えてるなら・・・教えてくれるよ。・・・ちゃんと聞かなきゃわかんないじゃん」




美羽の言葉があたしの心にずっしりときた。



「うん・・・そうだよね」



あたしはもう1度その場に座りなおした。







そして、顔を上げたあたしを、彼は見つめていた――――


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