ハッピー☆ウエディング

父親が気持ち悪いくらいの上機嫌で居間の扉を開けた。



「おかえり」

「おかえり~」



あたし達は口々に言った。




「おっみんないるなっ」




そう言って、それぞれの顔を見た父親は、あたしを見てより一層にっこり笑う。







「いやぁ今日も疲れたなぁ」




そう言って父は、背広を脱いで母に渡した。




「どうしたの?なにか良いことありました?」




そんな父の様子に母がクスクス笑いながら、茶碗にごはんをよそった。




「わかるかぁ?」




そんな2人のやりとりを見ないようにしてあたしただ黙々と口を動かした。





お父さん……



今はね?


そのテンションが勘に障る……




父親はあたしのそんな気持ちを無視して、さっきより大きな声を出して言った。




「みんな、明後日の土日空けとけよ!」




明後日?



グラスに入ったビールを一気に飲み干した父はさらに続けた。






「温泉旅行1泊2日の旅だっ!!」



「・・・・」





お・・・温泉!!!?




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