ハッピー☆ウエディング
……で。
マイク持ってるあたしがいたりして。
そんで、テキトウにリクエストしてテキトウに歌ってみたり……
『いよっ!!アオイちゃん最高!!』
『うちの嫁に来てくれ!』
酔ってる酔ってる…
いい加減にしてほしい…。
「はあ」
「・・・お疲れ」
ようやく、おじさま達から解放されあたしは自分の席に戻ってこれた。
亮が苦笑いをしてあたしを見上げている。
「よく頑張った。俺、標的にされなくてまじよかったぁ」
ホッと胸を撫で下ろして憎まれ口をたたく弟に、あたしは軽く睨んではみたけど、言い返すほどの力がなくなっていた…。
うう……
この先が思いやられるよ……
あたしは、腰を下ろして窓の外の景色を見た。
バスはいつの間にか、ビルの谷間を抜けて狭い山道を唸り声を上げて登っていた。