ハッピー☆ウエディング
両社が揃ったところで乾杯が行われた。
あたしは初めて味わうお酒の席にただ目の前の料理をつまむしかなかった。
お酒や煙草の匂いに、目が乾燥してしまい、涙目になる。
「葵、亮、ご飯食べたら部屋に行って休んでなさい」
母が大きな声で言う。
「うん」
あたしも負けじと大きな声で答える。
もう、みんな自分の座っていた所なんて関係なく騒いでる。
笑い声や一気の掛け声で何がなんだかわからない。
「亮、どうする?」
隣の亮に声をかける。
「・・・って!!あんた顔真っ赤じゃん!」
「あ?なに?」
よく見ると亮の手にはビールの入ったグラスが持たれていた。
「あんた、何飲んでんのよ!?」
あたしは勢いよくそのグラスを奪い取った。
亮は、なんだよおと言うような顔をしたがまたグイグイ飲みだした。
こんなヤツはほっとこう・・・
あたしは溜息をついて、席を立った。
グイッ
え?
「きゃっ・・・」
あたしの身体はなぜか引っ張られ、また元の場所に戻されてしまった。
なに?