ハッピー☆ウエディング


「んん……」


ゴチッ



「いた…」




寝返りをうったあたしは何かにぶつかった。



「…ん?」



眠い目を擦りながらあたしは自分の目の前に横たわる物を見た。



「ぎゃっ」



思わず声をあげ、後退りする。


だって、なぜかあたしに寄り添うように、引き締まった若い男の裸体が月夜に照らされて、妖艶に煌めいていたから……




「?」



あたしはもう一度両手で目を擦る。

よく見ると、その生めかしく見えたのは自分の弟だった。





いつ帰って来たんだろう…



てゆーか、こいつはなんでパンツ一丁なわけ!?




すぐそばには、浴衣がクシャクシャに脱ぎ捨てられていた。

よく見ると、体が赤く熱ってる。



「…ったく、どれだけ飲んだのよ」



あたしは溜め息をついて息遣いの荒い弟の体に布団をかけた。




まぎらわしいな……

< 68 / 337 >

この作品をシェア

pagetop