ハッピー☆ウエディング
「・・・・あの・・・どちら様?」
外にいた人物に見覚えがない。
髪がさらさら風に揺れてて、スタイルもよくて、背高くて、メガネかけてて・・・・
あれ?
「なにを言ってるんだ」
慶介は、口の端をあげて笑うと、銜えていたタバコの火を消した。
普段着の慶介は、この前見た印象とだいぶ違って見えた。
きっちり上げていた髪を今日は無造作におろしているせいかな?
20歳と言ってもいいくらい若く見えた。
慶介は、黒のパンツ姿に白地のTシャツをゆるすぎず、カッチリしすぎず着こなしている。
スラッとしたその長身でとてもオシャレだ。
「じゃあ、行こうか」
そう言って近くに停めてあったRV車に向かった。
ひええええっ
そっか・・・車があるんだ。
あたしは、そんな当たり前の事に、動揺してしまう。
じょ・・・助手席でいいのかな?
前と後ろで、ウロチョロしていると、先に運転席に乗っていた慶介が、助手席のドアを開けてくれた。
「どうぞ」
「ど、どうも・・・・ありがとう」
あたしは、遠慮がちに車に乗り込む。
それをただ黙って、見ている。
「それで、今日はどこ行きたい?」
「え?」
慶介はハンドルに腕を乗せ、あたしを見た。