ハッピー☆ウエディング
結婚するまで×××禁止!?
月の光に照らされてとても儚げに見える雪絵さん。
こんなに淋しそうな恋愛があるんだろうか・・・
「葵?」
不意に、部屋の戸が開いて、顔を覗かせたのは慶介だった。
あたしは、その顔を見たらすごく安心した。
子供が母親をやっと見つけた時のように。
中の様子を伺いながら、遠慮がちに顔を覗かしている。
「大丈夫か?」
「うん。もう良くなったよ」
あたしは、笑顔でそれに答えた。
そんなあたし達のやり取りを見ていた雪絵さんは
「・・・さて、邪魔者は消えようかな」
そう言って、腰を上げた。
「雪絵さん、助かったよ。ありがとう」
慶介は出て行こうとする雪絵さんに声をかけた。
慶介の言葉に、柔らかく笑うと雪絵さんはあたしに視線を落とした。
彼女は、最初からわかっていたのかもしれない。
あたしの心の中の醜い感情とか・・・そうゆうの。
雪絵さんて・・・大人だな・・・
「ありがとうございました」
あたしも、精一杯笑って言った。
「いえいえ、葵ちゃんの若い体が見れてラッキィだったわ。
色々お話もできたし。
じゃ、葵ちゃん。またね☆」
はあ!?
かかか・・・か、体!?
そう言って、ヒラヒラと手を振って出て行ってしまった。
あ・・・あの人は・・・・・・
あたしは、雪絵さんが出て行った戸を見つめたまま、開いた口が塞がらなかった。