ハッピー☆ウエディング
「葵」
ふいに父親があたしを呼んだ。
その声にあたしは顔を上げる。
「一ノ瀬さんとうまくいっているのはいいが、お前はまだ16歳だ。」
はぁ!?
いきなりなにを言い出すかと思えば!!
てか、こんな無理な事あたしに押し付けたのは他でもない!!
お父さんじゃん!!!
そしてあたしはさらに目が点になる。
「結婚するまでエッチは禁止だっ!!」
「はあああ!?」
バス内が一瞬静まりかえる。
あたしは、大注目の中、やたらすましている父親を見て、
「はは…」
なんて苦笑いをする。
きっとその顔も引きつって、額には青筋なんかたてちゃって。
「ぶはっ」
後ろから吹き出す亮の声。
「も…むっ無理っ」
腹を抱えて肩を震わす亮……
バカおやじぃー!!
ほんとにあたしの親父かぁ!?
あたしはワナワナ震える手をグッと抑え、湯気でも出そうな程赤くなった顔で母親に助けを求める。
母は、首を横に振り、
「まだ早いわよ」
なんて言う。
そしてこっそり耳打ちをした。
『…で?どこまで?』
だから、何もないんだってばああっ!!!!