LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「またって、前も出てたっけ?」

「ほら。何か旅番組に出てたじゃん、

 ベトナムのホテル。

 この前の婚約発表の時も。」


「そうだっけ?」


「なんか新しい事業はじめるみたいだね。」

「ふーん」

「この間言ってたあれの事かな?

 家族滞在型ホスピスとか言ってたっけ

 婚約した人って、大病院のらしいよ。」

「そう。」

政略結婚って言ってたものね。

ちょっとかわった人だったけど、

陽向のことはすごく気に入っているらしかったし、

呆れながらも、陽向も大切にしてた。

幸せになったらいいね。


「柊、TV見ないの?」

「もう関係ないことだし。元気でやってるならそれでいいわ。」

「そう?」

「なあに?引っかかる?」

「後悔してるんじゃないかなって思って。」


「大丈夫よ。

 馬鹿ね、何心配してるのよ。」


「いつだって、不安だよ、

 後悔してるんじゃない?僕を選んで。

 別れた時、あいつがセレブだって知らなかった訳だし。」


「関係ない。

 だって

 私は彼とはそういうところで

 付き合ったわけじゃなかったし

 自分が何者なのか明かそうとはしなかった。

 まあ、結局のところ信用されてなかったって思うと

 悔しいような気もするわね。

 まあ。今となっては、それもどうでもいいわね。」






 



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