LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「母親は僕を生んですぐ海外に行ったまま音信不通。

 自由奔放な人だったって言ってた

 僕が物心ついた時にはばあちゃんと二人暮らし。

 ばあちゃんはすごく優しい人だったし、

 まあ、それなりに幸せだったよ。

 血だけつながった親父は金持ちだったから、

 養育費はいっぱい送ってくれたからね。

 そんな幸せは、ばあちゃんが元気な時までだったけどね。」

淡々と生い立ちを語る言葉がなんだか冷たくて、

急に怖くなった。

「彗、いいよ無理に話さなくて、

 大丈夫だから。信じてるから。」

多分泣きそうな顔してたと思う。

彗は優しく私の手を包むと

安心させるようににっこりと笑った。


「うん、でも、話せる部分だけ話すよ。

 なんだか今話さなくちゃって思うんだ。

 ごめん、これでも勇気を振り絞ってるんだ。

 自分の事語るなんて、

 あまりなかったから。

 柊、聞いて。」

私は黙って頷いた。





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