LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「碧にも連絡取ったけど、

 あいにく今日は都合がつかないってさ。

 残念がってたよ。」


「そうですか、

 業兄さんが来てくれたってだけでも感謝ですよ。」


「全く他人行儀だな、

 当たり前だってさっきも言っただろう?」

「はい。」


兄さんは子犬のように俺の頭をぐしゃぐしゃとかき混ぜた。

「はは、かわいいなあ。」

僕の身の上って、話だけ聞いたら、


僕は随分愛情に恵まれない男と思えただろうが、

この兄たちのおかげで憎しみだけ出ない感情を持って育てたんだ。


ただ、優しくされればされただけ、

自分はアウェーなんだと妙にいじけた態度をとってしまったのは、

第2次性徴期のアレのせいだ。


誰にぶつけていいかわからないモヤモヤしたアレ。


大人になって反省したけど、後の祭りだ。


それもこれもあのバカ親父のせいにしていた僕は、

相変わらず反抗期なのだろうか。


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