LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「久しぶりだな」


「ああ、会いたくなかったけどな。」


「まあ、そういうな。

 あの時のことは若気の至りだ、

 やりすぎたと思って反省してるよ。」

「心にもないことを

大体朝から拉致った男からの反省なんて、

 信じられるわけないだろ?」

境田晴彦、

相変わらず嫌な男だ。


「はははっ

 そう身構えるなよ。

 別に昔の様なことはしないから。」


「なんで親父の付き人みたいなまねをしてんの?お前。」

「生きるためだよ。

 ふっ……」


「なんだよ。」

「連絡しなくていいの?

 彼女にさ……」


「うわっ!そうだよ、

 ちょっとコンビニにって思って出たのに、

 お前に拉致られ……やべっ心配してるな。

 携帯はって、

 家だっ!」


「貸そうか?」


「…いや、いい。」


「なんで?」

「お前の携帯に履歴が残るのは嫌だ。」

「消せばいいだろう?」

「そこに彼女の声が来るってことでもむかつく。」

「どんなだけ大事なんだよ、

 そんな大した女か?」


「っんとむかつくやつだな。

 俺にとって世界いい女なんだよ!

 お前に見られたってだけでも腹が立つ!」


「ンで?何処行くんだよ。」


「T山高原の山荘。

 雑誌とTVの撮影とインタビューがあったんで

 数日OFFとって滞在してるんだ。」


「ふうん。で、俺に何のようなわけ?」

 

「ついでに親族顔合わせっていうのか?

 それしたいらしいよ。

 あの人も忙しいから。」


「人の都合とか考えてないよね。」

「まあ、零斗だしね。

 あと、あんたに会わせたい人が来てるから。」





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