LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
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「ついたぜ」

ぼ----っとしながら目を覚ますと、

深い緑の中に、

何度か来たことのある山荘が建っていた。


「ここか」


「お前は久しぶりだったな。

 最近零斗はよくここにこもることが多いんだ。

 じゃあ、俺は行くから。」


「は?お前は行かないのかよ。」


「俺はあいにく暇じゃないんでね。

 これでも売り出し中の俳優なんだ。

 零斗の付き人はもうやってないんだ、

 けど、親戚関係は、トップシークレットだからな、


俺が動くってことになってんの。

だからここまで、

帰りは自力で帰れよな。」


「は?」


「兄貴たちもいるから。

 家族水入らずでやってくれ。」
そう言い残して

車を出した。

あいつも、親父に振り回されてる被害者なのかな。

何となく気の毒に思いながら、

大きくため息をついて、

山荘に向かって踏み出した。


あいつが言ってたっけ、

会わせたい人って誰だ?








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