LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして

俺の視線に気がついたのか、

彼女は、自己紹介をする。


「はじめまして、彗さん。

 中川姫蝶(なかがわ きちょう)です。」

「あの?」

「今度零斗と結婚することになった中川です。」

「ああ、マネージャーをやってくれてた中川さん?」

「ええ、はじめまして。」

「あ、はい。」

「お会いしたかったんですよ?

 だけど、零斗ったら会わせたがらなくて、

 で、やっと会わせてくれる気になったのに、

 あなたのほうで会ってくださらなくて、

 ごめんなさい。

 私の気持ちばかり押し付けて、

 あなたには嫌な思いをさせてしまったのかしら?」


「いえ、俺の方も大人げないっていうか?」

くすくす

「あ、ごめんなさい?

 零斗そっくりな顔で大人げないとかそういう言葉が出てくるのがおかしくて。

 ほら、この人、永遠の子どもだから。」

「はあ」
< 233 / 272 >

この作品をシェア

pagetop