LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「ああ、だから女はめんどうなんだ、

 嘘じゃねえよ。

 あいつのためにあんた迎えに来たんだから、

 ああ、泣くなって!

 多分あいつだってあんたに会いたいって思ってるから。」

「ほんとうに?」

「ああ。」

「ありがとうございます。

 ええと…彗のお兄さん…」

「碧。神宮碧(じんぐうあおい)だ。」


「碧さん、ありがとうございます。」

碧さんは照れくさそうに笑うと、

座席に深く座り腕組みをして目を伏せた。



タクシーの窓からは見慣れない風景が流れていた。


もうすぐ彗に会える。


私も、窓によりかかり目を伏せた。








< 247 / 272 >

この作品をシェア

pagetop