LOVERS♥HOLICK～年下ワンコと恋をして

来客を知らせる

インターフォンが鳴る。

彗が戻ってきた！

頭の中は彗がいっぱいな私は、その訪問者が、

彗以外であるなんて思いもしなかった。

玄関に走りより開けた瞬間

立っているのが彼以外だと想像すらできなかった。


「彗！！

　…あ……陽向…」


「よお、久しぶり。」


「な、何しに来たの？」

あからさまに嫌な顔をした私に、

「ひでえな、久しぶりに会った彼氏に対して、その態度はどうよ？」

「もう、とっくに彼氏じゃないし……」

「ああ、そうだったモトカレってやつだっけ。」

そう言いながら、部屋に当然のように入ってくる陽向を慌てて押し戻そうとして体勢を崩した、

「きゃあ」

「っぶね、大丈夫か？」

「ちょちょっと、勝手に入んないでよ！」

って文句言ってるのに、

ヤツの胸の中という変な図。

「こんな熱烈歓迎っぽい待遇の割に、冷たいこと言ってんじゃん。」

「だ、誰がっ歓迎なんかっ！」

慌てて胸を押して離れた時、

視界には彗の困った表情が…


「彗！違うよっ」

そう言った私に彗はツカツカと歩み寄ると

ぐいっとうでを引っ張った。


「言い訳はいいです。
　
　それより、


　あなたは何しに来たんですか。」


あたしの手をぎゅうっと握ると

陽向に向かって言い放った。