LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
真っ直ぐに私を見つめる彗

瞳の中で不安が揺れて

あなたを不安にするのは

私が前に進む勇気がないせいなの。

今の私の心には彗以外誰もいないのに……


「違うの、彗違うよ。

 愛してるの

 他の人なんて思ってない。

 どうしてそんなこと言うの。

 重いとか、邪魔だとか思ったことなんて一度もないよ。」


「なら、結婚してくれますよね。」


「私でいいの?

 後悔しない?

 私はもう失うのが嫌なの。


 彗が私を要らなくなるのが、幻滅して捨てられてしまうのが怖いの」


「馬鹿っ、要らないなんてありえない、

 こんなに大好きなんですよ。

 愛してるって何度言わせたらわかるんです?」


「だってっ……」


彗は私を引き寄せ胸の中でぐすぐすと泣く私をよしよしと宥める。


「あの~…」

その声を聞いてはっと

目の前にもうひとりいた元カレ陽向の存在に気づいて

なおさら恥ずかしくて、彗の胸から顔が上げられなくなった。


「聞いたとおりです。

 もう、僕らには関わらないで頂けますか?」

彗の胸から響くくぐもった声が、

私の耳にも届く。




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