LOVERS♥HOLICK~年下ワンコと恋をして
「柊?寝てるわけじゃないよね?」


「寝てない。」


「そろそろ部屋入ろうよ。あの人帰ったよ。」

待ってましたとばかりに顔を上げると、


彗がぶははっと笑った。


「な、なによ。」


「おでこと鼻が赤いよ。」


「えっやだっもう。」


慌てて両手で隠すと、

彗はクスクスと笑いながら指の隙間から

覗き込んで、

「かぁわいい~」

とのたまう、

「もおおっしらないっ!」


彗を押しのけ部屋に飛び込んで、洗面所に直行した。

なによなによ、

馬鹿にして、

年下のくせにっ!

水道を思いっきりひねってざぶざぶと顔を洗った。

いったい今どんな顔してるんだろう。

タオルで水滴を押さえながら鏡で自分の顔をじっと見た。


洗ったばかりのすっぴんの私は真っ赤に火照った顔で、

ぐずぐずと悩んでいた昨日までの私じゃない。

何かを洗い流したようにさっぱりとしていた。

化粧を落としたってだけじゃないよね。

きっと言えなかった本当の気持ちを吐き出したから。






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