キミを愛する5秒前。
窓の外の流れ行く景色。
春の暖かい日差しに眠気を誘われ、目を閉じた。
意識が遠のくにつれて、あの頃に戻ったような錯覚に陥る。
それは、今でもまだ、鮮明に思い出せるからだ。
―――――・・
『じゃ、』
「は?」
『は?じゃなくて、こっから出てくから』
「こっから、って、え?」
『この町から出てくの、そんだけ』
「そんだけって・・ちょ、ほんとにっ!?」
『なんで嘘つくんだよ。
その顔うけるんだけど』
高校に入学する春に、突然の別れ。
からかうように笑うアイツ。