キミを愛する5秒前。
人込みの中で2人、睨みあってると
「孝太!こんなとこでケンカやめてよ」
「だってこいつが・・!」
「なんで私の所為なの!?」
「取り敢えずこっから出よ!」
途中から入って来た男につられ、路地裏に着いた。
さっきとは正反対で、人気が全くない。
暗くて、静かで、異世界のようだった。
「ごめんね、名前は?」
「坂本千夏」
「ちなつ、ね、
僕は遥、こっちが孝太」
「はぁ、」
「ほら、孝太もなんか言えって」
「言うことなんかねーし」
「もう・・ちなつちゃん、
僕らのこと知ってる?」
「は・・?初対面ですし、」
「知ってるわけねーじゃん?
こんな田舎者がさ」
孝太とか言う、無愛想な男が口を挟んできた。
なんでさ、そんな嫌味しかいえないの?
チャラチャラして格好つけやがって。
ほんっと気分悪い。