愛して。
初め。

解放。

「お前は、この家には必要がない」

はっきりと、父の口から
告げられた言葉。
もう、名前なんて呼んでもらえない。

「全部、あなたが悪いのよ。
あなたが、成績を落としたりしなければ
ずっと、この家に居れたのに」

父に続けて母も言葉を発する。
母だけじゃ、そんな事言えないくせに…
父の前では、すごく強気なの。

成績か………
そんな事でよう済みだと言われるとか…
呆れて泣くこともできない。

「早く、出て行ってくれ」

落ち着いた口調で父は
あたしに言う。

そっか。
ついに、あたしはこの家から
解放されるのか。


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