アニメオタクですいません。

「足元、気をつけなきゃダメだよー?」


目を開けるとふわりと笑うイケメンがいた。
こげ茶の髪、耳に付けたオシャレなピアス、夜月くんや神沢くんに負けない整った顔立ち、少し肌けたシャツ…


まさにセクシーな美少年。


「…さっきから俺の胸元ばっか見てるけど、何か気になっちゃう?」


…はっ!
私はどうやらボーッとしていたため、セクシーな目の前の美少年の胸元を直視していたようだ。
セクシー少年はニヤニヤしている。

これじゃあ私…変態だと思われる!


「てか、大丈夫?小枝につまずいちゃったみたいだけど、怪我してない?」
「全然大丈夫です!ありがとうございました!」
「俺が治療してあげよっかぁ」
「な、何言ってるんですか!」


私の膝を撫で始めたセクシー男子、見る見るうちに私の顔は赤くなっていることに気付いた。


「おい…からかうのはそこらへんにしとけ、斗真」


そんな時、私に助け舟を出してくれた神沢くん。


「わかったよ~、かなでっち!」

_____斗真、そう呼ばれた目の前の彼は私の膝から手を離した。


「…斗真?」


斗真…何処かで聞いたことがあったような…


「…あ、もしかして…Mr.タイガー!!!」


そうだ…大虎斗真(オオトラトウマ)だ!
2年3組のプレイボーイ。
数々の女を手にかけ、彼に甘い言葉をかけられた瞬間に虜になってしまうという…!
その姿はまさに女を狩る、虎!!


「そうかそうかー、俺のこと知ってたのかぁ、有名だからなぁ俺」


変なあだ名を付けられても動じない…
さすがMr.タイガーだ!


「…でも、そのネーミングは俺には合わないかな」


ニコニコ笑いながら私にそういった大虎くん。
やっぱり怒っているのかもしれない。

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