鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
それでも戦術自衛隊の各部隊の活躍により、カマドウマの群れは山中から麓、やがては市街地を抜けて海岸線へと追い詰められていく。

小川が初めてカマドウマを目撃したあの海岸線だ。

「撃て撃て!一匹も残すな!」

他部隊の声が聞こえる。

逃走するカマドウマを追撃する戦術自衛隊員達。

銃撃を恐れず向かってくるカマドウマだが、流石に不利を悟ったのか、海中に逃れるものも散見され始めた。

「小川分隊長、俺達も追撃しますか?」

谷口が指示を仰ぐが。

「いや…」

小川は銃口を下げた。

「ここまでくれば、もう民間人に危害を加える事もないだろう…後は他の部隊に任せ、我々は一旦宿営地に帰投しよう。豊田や谷口も疲弊している事だしな…」

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